パワージェットを聞いたことはあるでしょうか?

知っている人は知っている、知っていてもなんだか難しいかなとヤラない人も居ます。

パワージェットがついているとセッティングの幅は広がります。

自動車をいじっていいる人(改造とかしている人)には、若干馴染み深いかも?

自動車で言えば、追加インジェクターと言えば分かりやすいかもしれません。


ただ、電気制御ではなく機械式とでもなく、自然吸気式なんです。

ジェットと言う名前がつくと言うことを考えれば

簡単に言えばキャブレターにジェットを一つ追加するのです。


説明は確かに簡単ですが、いざやろうとすると、やはり難しく考えてしまうでしょうが
ほんとうに簡単です。


ノーマルキャブでも社外のキャブでも基本的にやり方は簡単です。


■ノーマルキャブの場合
 ノーマルキャブの場合は、キャブのフロート室(そこ釜)にある
オーバーフロー&ドレンパイプにホースを繋ぎ追加したジェットを繋ぐだけ。


■社外キャブの場合
 やり方はノーマルキャブと同じですが、ドレンにコック(ネジ)がないので
オーバーフロー用のパイプ(フロート室の中)の上を少し切断
(この方法だと、パワージェットをやめた場合に底釜を交換するリスクがあり)
もしくは、フロート室にニップルを付ける。
あとはノーマルキャブと同じです。



PJ


完成形は、画像のような感じです。

フロート室から引っ張ったホースにジェットを繋いでキャブの吸入口付近に指すだけです。

その際、ノーマルキャブの場合は、ドレンのネジを緩めてください。

緩めないと燃料が出ませんからね(^_^;)


さてここで問題になるのが、どんなジェットを付ければよいのかなのですが

ジェットななんでも構いません、ですが吹く燃料のの量を考えると

スロージェットが良いでしょう。

普通のキャブセッティングと基本変わりません。

はじめに使用する番手は、現在使用しているスロージェットと同じくらいが良いでしょう。

パワージェットの役目としては、メインジェットで補えない(高回転高速域)部分を
サポートするジェットです。


■セッティングのやりかた

まずはじめに、パワージェットを付ける前の状態でベストな燃調をとります。
現状普通に走るようならそのまま、パワージェットセッティングに

パワージェットを付けたらアクセル全開で加速していき、パワージェットが吹き始まると
燃料が濃くなるので一気に重くなります。

その現象が起きなければ、パワージェットの番手を上げます。

それとは逆に濃すぎてかぶったりする場合は、番手を下げていきます。

燃調のセッティングはこんな感じで出来たかと思います。


次にセッティングしているうちに、変なタイミングで燃料が
吹き始めてる人もいるかと思います。

その時は、パワージェットまでのホースの長さを調整したり
取り回しの仕方によっても吹き始めるタイミングを変えられます。

簡単に言いますと透明のホースを使うとわかると思いますが
燃料の油面からジェットまで吸い上げるまでの時差を利用する感じです。

パワージェットを指す場所によっても噴射タイミングをずらせますが
穴を開けてジェットを指してしまってると思うので、それは難しい場合もあります。

パワーフィルターやファンネルを付けている場合は、
固定ネジを緩めて角度を調整したり出来ます。



パワージェットはノーマルやノーマルタイプのマフラーでは
あまり効果は見込めないかと思います。

リバイプ等のスポーツマフラー以上になれば効果は出てくると思います。


実際にパワージェットと言われ2サイクルバイクのレース全盛期の時、
レース車両に使用されていたシステムです。

なので効果は実証されていますが、公道仕様のバイクにとっては、
パワーアップと言うより高回転や高速域での焼付き防止と
考えたほうが正解かもしれません。

ただし、これにも限界があります。

それは混合オイル仕様なら一切問題はないのですが、
一般的には分離給油式のオイル給油な為に
パワージェットの燃料を濃くしていくとオイルが不足してきまいます。

目安としては、メインジェット番手+スロージェット番手+パワージェット番手
3つのジェットの番手の合計が200番手以上にならないようにしてください。

200番手以上になるとオイルが追いつかなく可能性が出てきますので
焼付き防止に付けたシステムが逆に焼き付きやすいシステムになってしまいます。


その事さえ、注意すれば、パワージェットを付ける前より燃料を
多くエンジンに送り込めるので焼付き予防になります。